ChatGPTなどAIツールが話題になり、Notion AIが便利という声も多く聞かれます。
- Webライティングに活かせる?
- ほかのAIツールと何が違うの?
- 有料プランに加入すると何ができるようになるの?
Notion AIが気になるWebライターは、分からないことが多く始めるのに戸惑っている人も多いのではないでしょうか?
今回は執筆にAIツールを使っているWebライターが、Notion AIについて徹底的に解説します。Webライターとしての具体的な使い方や使ってみた感想、口コミもお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。
新しいものに触る前から否定するのではなく、まずは試してみて、それでも自分に合わなかったら違う方法を選べばいいだけです。
Notion AIは無料でも使えますので、気になる人は今すぐ試してみることをおすすめします。
Notion AIとは?
Notion AIは、人工知能技術を活用した文章作成支援ツールです。幅広い機能を持った「Notion」に組み込まれていて、ユーザーが入力した文章を分析し適切なレスポンスを返してくれます。
ここでは
- Notion AIの特徴
- 主な機能(できること)
- 使用モデル
について詳しく解説します。
Notion AIの特徴
Notion AIの大きな特徴はNotion内で利用できるため、複数のツールを開くことなく作業が進められます。
たとえばメールの文章生成のケースで、ChatGPTと比較してみましょう。
ChatGPTの場合、生成された文章を修正するためには、ワードやメモなど別のエディタにコピーする必要があります。結果として、Notion、メモ、メールを開くことになります。
一方Notion AIの場合は、AIが生成した文章をそのまま修正できます。そのため別のツールを開く必要がなく、効率的な作業が可能です。
メール以外のケースでも、タスク管理やデータベースへのアクセスなど、効率的な作業ができる点がNotion AIの大きな特徴です。
主な機能(できること)
Notion AIを使えば、幅広いことができます。こちらのリストはデフォルトで搭載されている機能で、ワンクリックでAIに指示できます。
搭載されている機能以外にも、自分で考えた文章で指示することも可能です。たとえば「〇〇さん宛の、飲み会の誘いを断る文章を考えて」と指示すれば、AIがメールの文章を作ってくれます。
他にも文章から要素を抽出してスケジュールを作ったり、議事録から「やることリスト」を作ることも可能です。
「超優秀な秘書」と比喩されているとおり多くのことができます。
使用モデル
Notion AIで使用されている言語モデルは公開されていません。ChatGPTと同じGPT-3を使用しているという情報もあります。
これは、以前Notion日本第1号社員の西勝清さんの過去の発言や、Notionアンバサダーのshodaiさん(@shodaiiiiii)がTwitterで言及していたことが理由だと思います。
複数の言語モデルを使用しているから、流ちょうな日本語が生成できるという考えもありますが、執筆時点(2023年3月)現在は不明です。
ただし、ユーザーが入力した内容を回答の生成に使用しないことは明言されていますので、安心して利用可能です。
WebライターにおすすめのNotion AIの使い方(既存機能)
Notion AIには、既存で搭載されている機能があります。文章を選択してメニューから何をしたいかを選ぶだけで、AIが処理してくれます。
1.文章を改善する
文章の不適切な部分を改善してくれます。試しに誤字脱字のある文章を試してみたら、適切な文章に改善してくれました。
2.短くする
指定した文章を短くしてくれます。248文字の原文が219文字になりました。
もっと短くしたかったのでもう1度試したら、185文字になりました。内容も悪くありません。
3.長くする
指定した文章を長くしてくれます。185文字が501文字になり、内容もより詳しくなっています。
4.トーンの変更
以下の5種類からトーンを選んで変更できます。
- フォーマル
- カジュアル
- 率直
- 堂々とした
- フレンドリー
ここでは「カジュアル」にしました。ちなみに「フレンドリー」も試しましたが、原文のままでした。
5.シンプルな表現に書き換える
使う言葉を簡単にしてくれます。
今回の場合は「選定→選ぶ」や「立地や周辺環境→場所や周りの環境」などに書き換えてくれました。
6.要約する
選択した文章を要約します。
文章作成よりは「この文章が述べたいこと」を抜粋してくれるイメージです。リサーチなどで、長い文章を読むのが面倒な時に使えます。
7.続きを書く
選択した文章の続きを書いてくれます。説明を加えたいけど書くことが思いつかない時など、アイデアをもらいたい時に役立ちます。
WebライターにおすすめのNotion AIの使い方(自由記述)
既存の機能のほかに、直接AIにしてほしいことを指示できます。ここではWebライターとしてよくある使い方と、具体的な指示文を紹介します。
指示文はコピペして、あなたの執筆に生かしてください!
不動産関連のメディアで執筆するケースを例にしましょう。
1.テーマ選定
不動産関連のメディアで書く記事のテーマを提案してもらいました。タイムリーな話題も入れてくれました。
不動産関連のメディアに掲載するWeb記事として、読者の興味を引くようなテーマを10個挙げてください。不動産関連のキーワードで検索したり、タイムリーな話題に関するテーマを挙げてください。
2.見出し作成
キーワードから見出しを作ることも可能です。Notion AIが作ってくれたタイトル「コロナ禍での不動産市場の変化や影響について」から「コロナ 不動産市場 影響」をキーワードにしてみました。
「コロナ 不動産市場 影響」でGoogle検索する読者の検索意図を満たすような記事の構成を作成してください。なお「コロナ 不動産市場 影響」のGoogle検索結果、上位10記事の内容を網羅してください。
3.共起語一覧作成
記事に入れるべき、共起語一覧も教えてもらえます。作成してもらった見出しだけを抽出して、Notion AIに指示しました。
タイトル:コロナ禍での不動産市場の変化と影響について
1. コロナ禍での住宅需要の変化
2. 賃貸市場の影響
3. 不動産投資の影響
4. 不動産市場の動向
5. コロナ禍での不動産市場における課題
上記の構成で記事を書く際、入れるべき共起語を全て挙げてください。
4.本文執筆
ここまで作ってもらったタイトルと見出し、共起語を使って本文を書いてもらいました。本文が短かったので「長くする」を使って適度な文章量にしました。
これから文章を削ってブラッシュアップするため、長いと感じるくらいが適切です。画像が小さくて読めませんが、ちょうどいい感じの文章量であることをご理解ください。
タイトル:コロナ禍での不動産市場の変化と影響について
1. コロナ禍での住宅需要の変化
2. 賃貸市場の影響
3. 不動産投資の影響
4. 不動産市場の動向
5. コロナ禍での不動産市場における課題
上記の構成で、Googleの検索上位に表示されるようなWeb記事の本文を書いてください。初心者でも分かりやすいように専門用語は使わずに、できるだけ具体例を入れて書いてください。見出しごとの文字数は300~500文字で、内容には以下のワードを不自然にならないように入れてください。
コロナ、不動産市場、住宅需要、賃貸市場、不動産投資、都市部、地方都市、長期金利、住宅ローン、情報の非対称性、消費者保護、審査基準、初めて住宅を購入する人々、情報公開
5.要素が全て揃っている表の作成
記事執筆の際に必要な表も、Notion AIで作れます。異なる情報を与えても、同じ単位や表記で返してくれます。
以下の要素を表にしてください。
物件A→所在地:東京都、土地面積:200㎡、床面積:150㎡、価格4,000万円
物件B→所在地:大阪府、土地の広さ:150㎡、床面積:120㎡、値段2,800万円
物件C→所在地:北海道、土地面積:50坪、床面積:30坪、価格1千万円
縦の項目は物件名、横の項目は土地面積・床面積・価格です。横の項目で単位や表記が違う場合、同じ単位や表記に換算してください。
6.要素が揃っていない表の作成
情報を調べるのが面倒な時でも、Notion AIに指示すれば調べてくれます。比較表などを作る時に便利な機能です。
以下の要素を表にしてください。縦の項目は社名を並べてください。横の項目は所在地、代表者名、ホームページを調べて記載してください。
スウェーデンハウス
積水ハウス
ヘーベルハウス
住友林業
一条工務店
7.コピペ率の低下
Notion AIを使えば、簡単にコピペ率を下げられます。当ブログの記事から抜粋したた例文では、73%だったコピペ率が37%まで下がりました。
Catchyとは、100種類をこえるパターンの文章を作成してくれるAIライティングアシスタントツールです。SEOにも対応した記事執筆や資料作成、メール作成などの文章作成が効率化したり、企画立案の際アイデアの幅を広げたりするのに役立ちます。
使用しているAIは「GPT-3」で、アメリカのOpenAI社が開発した高性能な自然言語処理モデルです。OpenAI社は、イーロンマスク氏など複数の投資家により設立されたことは有名です。
英語圏では、GPT-3を使って記事や広告テキストを生成するサービスが人気を得ていて、ABテストツールVWOがおこなった「人vsGPT-3」のWeb広告パフォーマンステストでは、7戦3勝1敗3引き分けで人をしのぐ結果を出しています。
2022年6月にリリースされたCatchyのユーザーは、2023年1月には3万人を超えています。
この文章をコピペチェックツール「CopyContentDetector」でチェックした際、「一致判定率」が40%を下回るように書き換えてください。
Notion AIの料金プランと加入方法
Notion AIは、月US$10から加入できます。画像付きの加入方法と合わせて、くわしく解説します。
料金プラン
Notion AIは月US$10(約1,300円)で利用できます。Notionの有料サブスクリプションを年払いで利用している場合は、月US$8(約1,040円)です。
無料でもNotion AIを使えますが、20回の制限があります。月約1,300円で最新のAIを使い続けられますので、悪くない投資だと思います。
加入方法
Notion AIの加入方法を画像付きで解説します。
すでにNotionを始めている人向けに書いています。まだNotionを始めていない人は、こちらの記事を参考にサインアップしてから読み進めてください。
参考:初心者向け|Notionの始め方・手順を解説!画像付きで1分でできる
1.画面左の「設定」をクリック
2.画面左の「アップグレード」→「プランに追加」
画面下の「アップグレード」はNotionの有料プランで、Notion AIのプランではありません。Notion AIを制限なく使えるプランに加入する場合は「プランに追加」をクリックしてください。
3.画面左側にクレジット番号と住所を入力し「今すぐアップグレード」をクリック
4.自動的に画面が切り替わり作業完了
Notion AIとChatGPTの違い
両方使ってみて感じた違いは、以下の3つです。
- 編集できる
- 文字数の制限がない
- 料金
言語モデルなども違いますが、ここでは分かりやすい部分を解説します。
編集
ChatGPTは生成した文章を直接修正できません。たとえば生成された文章のうち一部だけを書き換えたい場合でも、別のアプリにコピペする必要があります。
一方Notion AIなら、生成された文章を直接編集できます。つまり、Notion AIのブラウザ内で作業を進められるのです。
表なども編集できますので、記事執筆の下書きをする際など非常に便利です。
文字数制限
ChatGPTには一度に入出力できる文字数に制限がありますが、Notion AIには制限はありません。
料金
ChatGPTはUS$20/月(約2,600円)、Notion AIはUS$10/月(約1,300円)で利用できます。
どちらも無料でも利用できますが、ChatGPTはアクセスが集中している時は使えなくなりますし、Notion AIは利用回数に制限があります。
Notion AIを使ってみた感想
実際に私がNotion AIを使って感じた、メリットとデメリットをお伝えします。
メリット①:文章生成が早い
メリット②:料金が安い
メリット③:機能が豊富
デメリット①:言語モデルが不明
デメリット②:文章が重複する場合がある
メリット①:文章生成が早い
こちらの動画でも分かるとおり、サクサク文章が生成されます。445文字が約20秒で生成されました。
私がAIで執筆するときは、1つの文章をAIに書いてもらっている間に、次の指示文を考えています。
このスピードだと、文章生成が終わるのを待たなくて済みます。
メリット②:料金が安い
Notion AIはUS$10/月(約1,300円)で利用できます。
ChatGPTのUS$20/月(約2,600円)と比べてもリーズナブルに使える点が嬉しいです。
文字単価1円のWebライターなら、すぐに元を取れる金額です。
メリット③:機能が豊富
Notion AIは、豊富な機能が搭載されています。
もともと搭載されている「短くする」や「要約する」を使えば、ワンクリックでAIが文章を生成してくれます。
搭載された機能を使いながら、さらに細かい指示を与えたいときは人間が指示する、といった使い分けができます。
デメリット①:言語モデルが不明
Notion AIに使用されている言語モデルは不明です。
ネット上などさまざまな場所では「GPT-3」との噂もありますが、公式からの発表はありません。
どんな言語モデルを使用していても、最終的には人間の目でのファクトチェックや添削が必要です。
デメリット②:文章が重複する場合がある
もともと搭載されている指示「続きを書く」を何度も続けると、同じ文章を生成することがあります。
画像は「続きを書く」を4回繰り返して生成した文章です。
「コロナ禍において不動産市場は大きな変化を経験しています」」が3回も出てきました。
Notion AIが向いている人
普段からNotionを使っている人
日常的に使っていて操作に慣れている人は、Notion AIが向いています。特に文章の下書きや原稿を管理している人は、Googleドキュメントなど別のブラウザを開く必要がありません。
無料でAIツールに触れてみたい人
Notionは無料で20回使えます。20回も使えれば、1記事書いたり文章のたたき台を作成したりできます。
ぜひ一度試してみてください。
Notion AIの代替(競合)ツール
「Catchy」
Notion AIと同じように、すでに指示文が搭載されています。日本の会社が運営していますので、日本語に対応していますし、支払いも円表記で安心です。
Catchyの使い方をまとめた記事もありますので、参考にどうぞ。無料でも使えますよ。
「ChatGPT」
知名度では最強と言っても良いでしょう。2023年3月に最新のモデル「GPT-4」が搭載されました。
ChatGPTの始め方はこちらの記事を参考にしてください。無料で使えます。
Notion AIの注意点
Notion AIも完ぺきではありませんので、以下の注意点も把握したうえで使いましょう。
- 誤った情報を出力する
- 有害なコンテンツを出力する
- 古い情報を出力する
誤った情報を出力する
特に重要な情報や医療に関する情報など、正確さが求められる情報に関しては、AIの出力をそのまま信用することは危険です。
というのも、AIがもとにしている情報が正しいかどうかは、AIは判定しないためです。AIは常に学習しているため正確性が向上する可能性もありますが、完全な正確性を保証するものではありません。
AIが提供する情報は、自己責任で利用しましょう。
有害なコンテンツを出力する
AIは有害なコンテンツを出力する可能性があるため、注意が必要です。
具体的には、差別的、暴力的、わいせつなどのコンテンツのこと
Notionは有害なコンテンツを禁止していますが、生成してしまう可能性は残っています。Notion AIが出力する情報を信頼する前に、必ず自己責任で確認することが必要です。
古い情報を出力する
Notion AIは、最新の情報を取得できません。2023年3月20日に、春の選抜高校野球大会の、栃木県代表の高校名を聞いてみました。
2023年は第95回で栃木県代表は作新学院です。
AIの返答:申し訳ありませんが、このドキュメントには栃木県代表の学校名に関する情報は含まれていません。
ちなみに栃木県代表の出場がなかった第94回を聞いてみると、以下の返答でした。
AIの返答:第94回記念選抜高校野球の栃木県代表は、作新学院高等学校でした。
やはり最終的な人間のファクトチェックは不可欠です。
Notion AIの評価・口コミ
Notion AIを使っている人の、評価や口コミを紹介します。リアルな声ですので、ぜひ参考にしてください。
良い口コミ
悪い口コミ
Notion AIのよくある質問
Notion AIは最新のため、分からないことも多いと思います。よくある質問をまとめましたので、参考にしてください。
Notion AIでは何ができる?
テキストに関することなら幅広くできます。文章生成や検索の代わりに使用したり、既存の文章を書き換えたりできます。
逆にできないことは画像や音声、動画の解析などです。
Notion AIの何が便利?
最大の特徴はNotion内で完結することです。タスクやデータベース、生成文章の編集などができることで、スムーズに作業できます。
Notion AIの運営会社は?
Notionの運営会社はNotion Labs, Inc.です。
まとめ
今回はNotion AIについて解説しました。内容をまとめると以下のとおりです。
- Notion AIはテキストに関することなら幅広くできる
- 文章生成が早く、料金が安い点がメリット
- デメリットは言語モデルが不明なこと
基本的な使い方や、有料プランの課金方法を画像付きで紹介しました。
AIツールは目まぐるしく発展していて、情報の更新についていくのもやっとかもしれません。しかし、スマホが欠かせない存在になったように、AIは私たちの生活に欠かせない存在になるはずです。
Notion AIは、無料でも20回使えます。今のうちに最新のツールに触れておきましょう。
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